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12ヶ月を巡る季節と人々の営みはいつも美しい。
作曲家、阿部海太郎が多彩な楽器と共に綴るカレンダーのような音楽集ができました。

題材となったのは、15世紀にフランスで描かれ、今はパリ郊外の城に残されている装飾写本「ベリー侯のいとも豪華なる時祷書」。「世界で一番美しい本」とも讃えられる本に描かれる中世フランスの情景と普遍的な人々の営みにある一片一片を丁寧に紡ぐような音楽の数々が、聴くものの想像力を大らかに掻き立てます。

600年前に描かれた本から一編の音楽集が生まれ、その音楽が誰かの耳に触れ、言葉に、映像に、踊りに、物に、体験になるかもしれない。形のない音楽がある世界で人が生きる時間が連なって起こる現象を、この場に集めたいと思っています。