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June

ピアノもポロロン。雨が降ったらポロロンロン。佐野洋子さんの「おじさんのかさ」という絵本にある一節を思い出し、海太郎さんの音楽から生まれた傘のお披露目の会に「傘を開くと音が降る」とタイトルをつけました。昨年12月、コシラエル本店近くの「と或る家」で開催されたイベント「生活の二重奏と時報」では、シャワー室や玄関、柱の上など家の中のあちこちに素晴らしいスピーカーが設置されて、海太郎さんがフィールドレコーディングした生活の音が流れていました。時報のような生演奏も、自分のいる場所に寄って聞こえてくるものが異なるという本当に素晴らしい空間でした。

この特設サイトの冒頭に海太郎さんの言葉があります。「音楽を聴いている時、一体、何を聴いているのだろうか。音、それは振動です。振動を聴いて、楽しいのでしょうか。」あのイベントで音響設計を担当されていたホワイトライトの牟田口景さんも、よく振動の話をしてくださるのを思い出しました。私は、一体何を描いているのだろうか?何を描きたいのだろうか?目に見えない振動するものが描けているか?と問われました。

Coci la elle、日傘作家・ひがしちか

Photo: Keitarrow(Machinokid Art)